アラフォーワーママの日常記録

子供3人の妊娠、出産、育児、仕事について発信

出産:第一子の出産の記録(2)

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【2017年愛育病院での第一子の出産体験記です】

 

出産:第一子の出産の記録(1)に続きます。

どんどん痛みが増し、機械の数字が定期的に99を表示し始め、間隔も短くなっていました。

しかしここでどんどん寒気が酷くなっていきます。

 

まるママ:「何だか寒いですが、毛布をもう一枚いただけますか。」

助産師:「寒いですか。部屋の温度はそこまで低くないんだけどな。ちょっと熱を計りましょうね。」「38.6度ありますね。」

これは良くないなー

抗生剤を投与していたので、もう少し様子を見ることに。

しかし、30分後に熱を計ると39.4までに上昇。

39度なんていうのは中学生の時、インフルエンザを拗らせた時以来見たことのない数字でした。

 

時計が朝の6時を回った頃、また内診をすると、まだ5cmしか開いてない。

こんなに痛みが強いのに1cmしか進んでないの?!

先生:「うん。。。今陣痛は2分間隔できてるし、痛みも強いのにあまり進んでないですね。熱も高いし、赤ちゃんの心拍もずっと高いままだからこのままだと危ないかもしれません。後もう少し様子を見ますが、手術になるかもしれないです。今から飲食は禁止です。また30分後にきますね。」

 

頭の中が真っ白になった私は、ある出産体験を思い出しました。

「痛みが一番強い時に息むと子宮口が開き易くなる。」

そこから全力で陣痛が来るたびに力を入れました。

赤ちゃんが頑張って骨盤の中に入ろうとしている感じがしました。

今考えるとどうせ痛いし、力を入れた方が逆に何かに集中できてたなと思います。

すると次の内診で劇的な変化が。

先生:「8cmまで開いてますね。でも赤ちゃんが全く降りてきてない状況です。ずっと赤ちゃんの心拍も高いし、まるママさんの熱も下がってきてないから、これは子宮内感染かもしれない。何時間も待てる状況じゃないから、早く出してあげないと危ないです。緊急帝王切開になるので、同意書にサインしてください。」

まるママ:「え?!緊急帝王切開ですか?少し考える時間はもらえますか?」

先生:「あまり時間がないです。10分後にきますので、それまで考えておいて下さい。」

 

10分ですか。

10分って、何か選択肢がある感じではないよね。

赤ちゃんが危ないと言われれば、親は何でもすると思います。

そうやって言われるがまま、同意書にサインをし、ますます強くなる陣痛に絶えながら手術室に移動しました。

もう既に陣痛の間隔は1分以下に。

手術の準備を進めながらまた内診をしてもらうとほぼ9cm開いていて、もう後少しというところ。

まるママ:「吸引などで産むことはできないですか。」と質問。

先生:「それがね。赤ちゃんの頭がまだまだ浮いてる状態だからできないんですよ。降りてくるのにはまだまだ時間がかかります。ここまで頑張ったから本当に自然分娩で産ませてあげたいけどね。」

 

手術が始まると10分後くらいにお腹から出された赤ちゃん。

元気な産声が聞こえてきた後、私の顔の横に連れて来られた娘はそれこそシワシワお猿さん。😊

妊婦検診の時にたまに見たことのある新生児より全然大きくてふくよかな赤ちゃんでした。

何も考えられず「あーあなたが私のお腹にいたのねー」と何だか複雑な気持ちをプロセスできてないままで主人と娘の顔を交互に見ていると、娘は直ぐに別のところに連れていかれてしまいました。

そうやって長期戦を準備して挑んだ初産はあっけなく緊急帝王切開で終わってしまいました。分娩室に入ってから4時間あまりのことでした。

 

出産を終えてから数日の間はかなり憂鬱な日々を過ごしました。

こんなはずじゃなかったのに。

寝不足とホルモンの変化、麻酔による術後の腰の痛みなどなど。

産後の経験はあまり想像することができなかったことの連続だったと思います。

数日後に同じ時期に出産をしたお母さん達に会うまで、自分の経験を客観的に考えることもできませんでした。

 

お母さん達の集まりでは一人ずつ自己紹介をして出産の体験を共有する場があるのですが、それぞれの出産にはそれぞれのストーリーがありました。

無痛分娩を希望して丸一日分娩台で頑張ったけど、結局は赤ちゃんが苦しくなり、緊急帝王切開になってしまった人、病院について2時間で自然分娩で安産できた人、20時間かけて出産した人。逆子のまま予定帝王切開で産んだ人。

 

出産の形は赤ちゃんと一緒に選ぶものだと言われてはいたけど、その意味があまりわかってなかったんだなと思いました。周りでは自然分娩と帝王切開で産んだ人が半々くらいだったのに、自分は自然分娩で産むんだと決めていた。でも赤ちゃんはその日に別の道を選ぶことにしたのです。

ここでもまたママがコントロールできることは意外と少ないんだなと感じました。

今ではどこの国でも自然分娩にこだわる傾向が強く、大きい声で「私は帝王切開で産みました」と言える人は少ないし、それだけ「自分で頑張れなかった」と思うお母さん達は出産の経験をシェアすることも少ないですが。どんな出産であれ、それが最適な形だったんだと自分で納得することも大切だなと思います。大体30%とのお産は帝王切開になるのですから、確率的にはかなり高いですよね。

 

一つ間違えていたら元気に生まれて来れなかったかもしれない、それが医療行為によって助かる可能性が高くなるのが帝王切開だからです。

そしてあるデータを見るとこの世の中にはお産で助からないお母さんも赤ちゃんもまだまだ沢山います。

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出所 : 厚生労働省「我が国の人口動態」(2016年までの動向)

www.nippon.com

 

そんななか、幸いにも日本は乳児死亡率が世界一低い国です。

そして妊産婦死亡率も0.005%と極めて低い数字なんですよね。

ニュースでは出産にまつわる怖い話が報道されることも多いですが。

ほとんどの病院では安全に出産が出来るよう最善を尽くしていると思います。

逆に自然分娩にこだわり過ぎて適切な判断ができてなかったらそれもまた困るのです。

それを考えたら、どんな形であれ、元気な赤ちゃんに会えたことに感謝しようと憂鬱だった自分の気持ちを少しずつポジティブな方向に持っていくことが出来ました。

状況を考えるとこれが私にとって最善の形のお産だったんだと納得がいきました。

もちろん、こーすれば良かった、あーすれば良かったと時々後悔することはありますが。

 

ここまでが愛育病院での出産のお話でした。

病院に着いてお産が終わるまでが4時間弱なので、病院に対する感想はあまりなかったのですが。

次回は入院していた6日間のお話を書いてみたいと思います。